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箱田 照幸; 山本 春也; 下山 巖; 有谷 博文*; 吉川 正人
no journal, ,
水中に溶存した白金(Pt)イオンに300keV以下の低エネルギー電子線を照射すると、多量の電子が存在する(放射線)還元雰囲気が水溶液表面にのみ形成され、そこにPtナノ粒子が薄膜状に析出する現象を、筆者らは初めて見いだした。この特徴を活かしたPtナノ粒子膜の生成に関する技術指針を得るため、これまでに塩化白金酸イオンとエタノールを含む水溶液に数十keVの低エネルギー電子線を照射した結果、水溶液表面に主成分がPtである浮遊物が再現性よく生成し、薄膜を形成することが分かった。その薄膜は、0.5-1v%のエタノール共存下で生成しやすく、その構造は2-5nmのPt由来粒子が互いに接合して連なった網目状の構造を有することを見いだした。さらに、このPtナノ粒子膜の化学結合状態をX線光電子分光法により調べその触媒性能を定量したところ、生成したPtナノ粒子膜の一部がわずかに酸化されてはいるものの、還元及び酸化触媒として作用することが確認された。これらのことから、数十keVの電子線による還元現象が、貴金属ナノ触媒粒子層の新たな作製技術として使用でき、例えば水素検知材料などの触媒層の新たな作製法として応用できる可能性が拓けた。